小田原市城内の「小田原城天守閣」で、特別展「いにしえの小田原 遺跡から見た東西文化の交流」が開かれている。小田原は東日本の玄関口として、原始以来、東西のヒトやモノの交流が続いてきた。特別展では旧石器時代から中世まで、これまでに発掘された遺跡や出土遺物を東西・広域交流という視点で紹介している。
小田原では縄文時代の「羽根尾貝塚」をはじめ、東日本で最古、最大と言われる弥生時代の農耕集落が発見された「中里遺跡」などから、広域的な交流を示す、それぞれの時代の土器や石器などが数多く出土している。
上に「西武小田原店」が建っている中里遺跡は、東部瀬戸内地方の土器が数多く含まれていることから、現在の神戸市一帯の人々が中里に移住し、水田耕作をはじめとする新しい弥生文化と技術を伝えた可能性が高いという。
天守閣の諏訪間順館長は「小田原で埋蔵文化財の調査体制が整ってから約30年。今回はその集大成として、小田原の歴史と文化の成り立ちと、歴史ロマンを感じてもらえれば」と話している。同展は12月14日まで。入館料は大人410円、小中学生150円。問い合わせは同市観光課(0465・23・1373)。【澤晴夫】
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