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第13回全国城跡等石垣整備調査研究会 弘前大会 [中近世・城郭]

115日から7日までの日程で、青森県弘前市において、第13回全国城跡等石垣整備調査研究会が開催されました。

2日目の11時から40分間、「史跡小田原城跡馬出門の石垣と門・土塀の復元整備について」基調報告を行いました。

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午後からは、佐賀大学の宮武正登さんをコーディネーターに、パネルディスカッション「石垣整備と建造物―その価値の保存と継承の在り方について―」が行われました。

 


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私は、馬出門の整備を経験したことを踏まえ、石垣の整備に当たり、根石までの確認、地山までの確認を行い石垣の構造を明らかにするための発掘調査をきちんと行う必要性を強調しました。史跡整備発掘調査は、記録保存の調査とは異なり、遺構を傷つけないように、必要最低限に抑えなければいけないという宿命がありますが、そこを怖がってきちんと調査をしておかないと、石垣整備が中途半端なものになり、将来の崩落や破損を招くことになりかねないということです。

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また、石垣の調査にあたっては、石垣解体と発掘調査の関係の難しさを指摘し、工事発注して、石垣解体と並行して発掘調査をやる場合が多いので、その際の業者さん・石工さんとの連携の重要性が大事であること、そのための予算的な裏付けが課題であると話しました。発掘の調査記録の取り方によっては、解体のペースは大幅に遅くなり、期間と予算がかかり、その負担は解体工事側に大きな負担になるケースも多い状況もあります。

 


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この石垣整備調査研究会は、考古系、公園の土木系、整備コンサル系、石工系とそれぞれ石垣整備にかかわる人たちが集まっている会なので、その辺の認識を共有し、積算に組み込むなどの必要性も話しました。



基調報告では、馬出門の事例の後に、御用米曲輪の池と切石敷遺構についてと天守閣耐震改修についてもご紹介しましたが、特に御用米曲輪の遺構のインパクトはかなり大きかったらしく、何人もの方から状況を聞かれました。もっと多くの人に存在を知ってもらう必要があると感じました。






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石井

初めまして、石井と申します。
いつもブログを楽しく拝見させていただいております。
もしお答えいただけるようであれば教えていただきたいことがありコメントさせていただきました。
銅門と馬出門の土塀の狭間についてです。この二者は矢狭間が特に大きさが違っていると思うのですが、この違いに理由はあるのでしょうか?
てっきり銅門と同じように作られると思っていたもので馬出門ができたときから疑問に思っています。
文化財課では参考にした類例の違いと仰られていました。
宜しくお願い致します。
by 石井 (2016-11-07 14:02) 

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