発掘された日本列島2013 その2 [中近世・城郭]
列島展は毎回地域展があり、今回は東京都埋蔵文化財センターによる
「発掘 江戸の華-発掘された江戸時代の出土優品展-」でした。
さすがに江戸です。すごい資料が出土していますね。
写真は汐留遺跡の仙台藩伊達家上屋敷の地下室から出土した染付大皿の一括です。
すごい迫力、宴会用の器ですが、これを接合した都センターの作業員さんには頭が下がります。
でも、次々と着くから楽しかったことでしょう!
千代田区飯田町遺跡の理兵衛焼(りえいやき)
高松藩の官用の窯で焼かれたもののようですが、
京焼風の陶器です。
千駄ヶ谷大谷戸遺跡の鍋島 色絵唐草文托(からくさもんたく)
茶道具のひとつ、碗を置く台のことらしいですが、鍋島焼きの開始期の貴重な資料です。
これ以外にもすばらしい資料が多く展示されています。
地域展の内容は東京都埋蔵文化財センター報93号「たまのよこやま」に詳しく載っています。
展示会場にありますので、ご覧ください。
7月25日までの会期となっていますので、お見逃しなく!
石垣山一夜城 井戸曲輪 [中近世・城郭]
井戸曲輪です。樹木が少しずつ整理されて、日当たりが良くなりましたね。
井戸曲輪は谷頭の湧水ポイントを巨大な石垣をダムのように設置し構築されたものです。
天正18年に豊臣秀吉によって築城されたもので、江戸時代の数回の大地震にも耐えてきましたが、
大正12年関東大震災では一部が崩落していますが、それでも、小田原城はすべて崩落したことに比べれば、
野面積みの石垣の強度には驚かされます。
上から井戸底へと向かう正面の石垣ですが、孕みが目立ってきました。
30年前は、石垣の途中にもエノキやミズキなどの雑木が生い茂っていましたが、
その樹木を整理し、その根が腐り、石垣が緩んできたことも影響しているのでしょうか。
今年からこの部分の石垣の安全対策のためにネットを設置するらしいです。
せっかくの石垣ですが、安全のためなのでやむをえません。
あまり目立たないようにうまく保護できることを祈ります。
御用米曲輪 読売新聞の記事4/10 [中近世・城郭]
2年間、大阪から東京に出向していた早川保夫記者の記事です。
まだ間に合う? 平成25年度 小田原市学芸員採用情報 [中近世・城郭]
平成25年度 小田原市学芸員採用情報
小田原市では4年連続での学芸員採用です。
3月6日にHPにアップされました。
今年は、前期選抜です。詳しくは下記HPをご覧ください。
募集は、要綱によれば中世、近世又は近代、民俗、文学と複数の学芸員を求めています。
小田原市採用試験は、「人物重視・面接重視」です。筆記試験がありません。
経験や実績、やる気・情熱、訴える力があれば道は開かれます。小田原の歴史と文化を研究し、広く情報発信できる方をお願いします。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/staffin/saiyou/h25.html
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職員採用試験(前期)の募集職種及びスケジュール(予定)
~公務員試験対策の勉強は不要です~
平成25年度小田原市職員採用試験の募集職種等について、現時点での予定をお知らせします。
小田原市採用試験は、「人物重視・面接重視」です。
市民のために、
情熱と熱意をもって職務に取り組む
自ら考えて行動する
課題や目標に果敢にチャレンジするかたの受験をお待ちしています。
小田原市では、「教養試験」に替えて「適性検査(能力適性検査・性格適性検査)」を実施しています。
能力適性検査の内容は、事前の公務員試験対策を必要としない内容です。
学芸員 (歴史、民俗、文学)
昭和58年4月2日以降に生まれ、学芸員の資格を有し(見込み)、専門課程(※のいずれか)を履修したかた
※歴史:日本史(中世、近世又は近代)
※民俗:日本民俗学(民俗・民具学)
※文学:日本文学(近現代)
2 スケジュール(予定)
日程 3月15日(金)
内容 広報おだわら3月15日号に採用試験に関する記事を掲載
市ホームページに募集要項を掲載
採用試験申込受付開始 3月18日(月) 午前9時
職員採用説明会 4月5 日(金) 午後
採用試験申込受付終了 4月12日(金) 午後5時
この情報に関するお問い合わせ先
小田原市役所企画部職員課 電話番号:0465-33-1241
小田原城御用米曲輪ラジヘリ撮影3/22 [中近世・城郭]
御用米曲輪の空撮 ラジコンヘリにて撮影でした。
この写真、桜とラジヘリです。
最近のラジヘリはモニターも24インチくらいの大画面なので
いろいろと撮ってもらいたいアングルが増えてしまいますね。
桜が咲き始めた小田原城の良い写真も撮れたことでしょう。
御用米曲輪見学会1000人が参加 [中近世・城郭]
本日の御用米曲輪見学会においでの皆様、寒い中、遠いところありがとうございました。
受付で「どちらからおいでですか?」とお聞きした人の数、971名でした。そのまま素通りした方もそれなりにいて、小田原市スタッフ30数名を入れると1000人越えとなりました。
FB、ミクシィなどのつながりで、遠方から駆けつけてくれた方も多くお出ででしたし、午前・午後の2セット参加も方もいらして大変ありがたいことでした。
今回は足元の汚れを心配していましたが、現場スタッフがシートを敷いてくれたので、大ごとにならずに済みました。現場が広いのと説明する調査区が分散しているので、シート敷きは本当に大変だったと思います。現場スタッフは日の出と同時に作業を始めたようです。本当にお疲れ様でした。
今回は、昨年秋の天守閣の特別展図録のちらしをお渡ししましたが、郷土文化館と天守閣で60冊以上売れたとのこと、こちらもあわせて御礼申し上げます。
午前10時にはご覧のとおり
文化財課長のあいさつの後、佐々木、大島、諏訪間の三人の学芸員が
100名以上の見学者をそれぞれ引率しての説明となりました。
具体的な様子はまた後日。
御用米曲輪見学会 ぐちゃぐちゃですので対策を! [中近世・城郭]
御用米曲輪の見学会ですが、朝までの雨のため、ぐちゃぐちゃです。
汚れても良い服装、長靴などをおすすめします。
今朝の朝日新聞にもでてました。
http://www.asahi.com/area/kanagawa/articles/TKY201302150423.html
2月16日 御用米曲輪発掘調査見学会開催 [中近世・城郭]
2月16日 御用米曲輪発掘調査見学会開催です。
大勢の方がお見えになる可能性もあるため、私の説明要員として参加します。
小田原市のHPを以下に転載します。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/lifelong/property/shisekinoseibi/goyomaikuruwa-c.html
また、御用米曲輪の今後の調査整備に関しては、2月13日に史跡小田原城跡調査整備委員会が開催され、
来年度は近世の蔵跡の遺構を保全しながら、戦国期の遺構の展開を追跡する調査を行う方針になったようです。
中性と近世の複合遺跡、それも400年の歴史が重層的な埋もれている小田原城の凄さと難しさを示しているようです。
以下は毎日新聞の2月14日の記事です。
http://mainichi.jp/feature/news/20130214ddlk14040274000c.html
さらに、御用米曲輪については、KKベストセラーズ発行の「歴史人」でも1ページ掲載されています。
コンビニでも置いていますので、是非、ご覧ください。
調査担当の佐々木健策学芸員のいうように、東日本でも戦国期の庭園の発見された事例は少ないので
大変貴重だといえます。
いずれにしても、ご自身の目でご覧ください。
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御用米曲輪発掘調査の新発見!(2月16日(土)見学会開催)
戦国時代、小田原城の中心地か!?
天守閣側から見下ろした、御用米曲輪の発掘調査のようす
平成22年度から史跡整備に伴う発掘調査を行っている、史跡小田原城跡の御用米曲輪
(ごようまいくるわ)。
平成23年度には、石垣を伴う障子堀(しょうじぼり)が発見され、戦国時代の小田原城でも
石垣が使われていたことが話題になりました。
さらに、今年度の発掘調査でも新たな発見があり、戦国時代、この場所に重要な建物が
置かれていた可能性が高まっています。
2月16日に行われる現地見学会では、発見された礎石建物跡(そせきたてものあと)と
庭状遺構(にわじょういこう)を中心に、発掘調査現場を実際にご覧いただくことができます。
長い時間土中に埋まっていた遺跡は、露出している時間が長くなると崩れてしまうため、
今回の成果も見学会後には遺構保護のために埋め戻します。
御用米曲輪の発掘調査の現場見学会について
日時 平成25年2月16日(土)
午前10時~午後3時 ※小雨決行
(荒天中止の場合、2月23日(土)に開催)
担当者による説明
1回目 午前10時~
2回目 午後1時~
(各回1時間程度)
申込方法 事前申込不要
直接現地にお集まりいただき、城内弓道場前からお入りください。
※車での来場はできません(近隣の有料駐車場をお使いください)
参加費 無料
当日問い合わせ先 小田原市郷土文化館 電話0465-23-1377 (午前8時~)
NPO法人 みんなでお城をつくる会の創立総会 [中近世・城郭]
2月11日はNPO法人 みんなでお城をつくる会の創立総会が小田原市民会館で開催されました。
翌日は新聞の休刊日でしたが、こちらはネットで配信されました。
http://odawara-hakone.keizai.biz/headline/1115/
左から古川副代表、鈴木代表、高橋副代表
加藤小田原市長の祝辞
加藤市長の天守閣への想いは下記の日記に書かれています。
当日のレポートはマリコ・ポーロさんのブログが詳しいです。
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-5412.html
追加です。
塩谷卓也さんが「地球のココロ」 にここに至る経過も含めて書かれています。
http://chikyu-no-cocolo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-1382.html
「NPO法人 みんなでお城をつくる会」設立に関する記事 [中近世・城郭]
2月10日の読売新聞の記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20130210-OYT8T00068.htm
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小田原城、木造天守閣の夢…市民がNPO法人
江戸時代に造られた小田原城天守閣の木造模型(小田原城天守閣で)
コンクリートの小田原城天守閣を木造で再建しようと、小田原市の市民グループ「NPO法人 みんなでお城をつくる会」が発足、11日に小田原市民会館で創立総会を開く。費用や木材と建築技術の確保、行政との調整といった課題をどうクリアしていくのか検討する。木造化に向けた市民活動が、本格的にスタートする。
同会は市民有志でつくる「小田原 城普請会議」が設立し、1月18日に県のNPO法人に認証された。理事長は鈴廣蒲鉾社長の鈴木博晶さん(59)。
主な活動は、木造化に必要な研究会や啓発イベントの開催、伝統的な建築技術を継承する職人養成機関の開設、材木の育成、歴史セミナーの開催など。資金調達は市民から寄付を募る。
市によると、現在の小田原城跡は本丸・二の丸の大部分と総構の一部が国の史跡に指定されている。改修や建て替えには文化庁の認可が必要。設計図や写真などの資料は少ないが、江戸時代の天守閣の木造模型が城内に保存されており、木造化する際の有力な手がかりになるとしている。
木造の天守閣は、1870年の廃城まで存在していた。現在の天守閣は、市制20周年を記念して1960年に建築された。当時の建築費は約8000万円。瓦に寄付者の名前を刻む方法で市民から寄付を募り、建築費の2割強が集まったという。市は天守閣の耐震強度不足が判明したことから建て替えを視野に補強工事計画を進めている。
鈴木理事長は「安全面から考えても、建て替えの時期に来ている。木造での再建は経済効果も広がる。市民の力で機運を高めたい」と話している。
創立総会では元文部技官で兵庫県姫路市文化財保護委員の西村吉一氏が「職人の知恵と将来世代に残すべきもの」のテーマで基調講演する。会費2000円。
問い合わせは、みんなでお城をつくる会へファクス(0465・37・4613)で。
NPO法人「みんなでお城をつくる会」の創立総会 2月11日(月)開催 [中近世・城郭]
NPO法人「みんなでお城をつくる会」の創立総会が2月11日(月)に開催されます。
参加費の中には簡単な懇親会費も含まれているようです。
タウンニュースの記事を転載します。
http://www.townnews.co.jp/0607/2013/01/26/173900.html
また、下記にNPO法人の定款や設立趣旨、事業内容なども詳しく掲載されています。
興味のある方はご覧ください。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/02/0223/npo_jyuran/setsuritsu/s201210100001.html
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小田原城天守閣木造再建のためのNPO法人「みんなでお城をつくる会(鈴木博晶理事長)」の創立総会が2月11日(月)に市民会館6階会議室で開かれる。午後2時〜4時半。会費2000円。
当日は元文部技官で、現姫路市文化財保護委員の西村吉一氏を講師に迎え「職人の知恵と将来世代に残すべきもの」と題した基調講演が行われる。西村氏は姫路城の昭和と平成の大改修を手がけた。また、今後の会の活動なども発表される。参加は【メール】info@odawara-oshiro.orgで、名前・住所・メールアドレス・電話番号を明記して、申し込みを。問い合せは【電話】0465・37・4613。
資料展「板橋の至宝 石切青木家文書展」3日間だけの特別公開です。 [中近世・城郭]
緊急告知
この3日間だけの公開です。
資料展「板橋の至宝 石切青木家文書展」
日 時:2月9日(土)~11日(祝)
午前10時~午後3時30分
会 場:内野邸母屋
内 容:北条早雲の時代から板橋で活躍した石切 青木家の中世文書を特別公開します
費 用:150円(内野観覧料として)
小田原市板橋の内野邸の活用事業が目白押しです。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/press/detail.php?prs_id=6255
小田原市交流展「小田原北条氏五代100年の興亡」開催のお知らせ [中近世・城郭]
奈良県斑鳩町と神奈川県小田原市は「法隆寺ゆかりの都市文化交流協定」
締結1周年を記念する交流展「小田原北条氏五代100年の興亡」が10日から、
同町法隆寺西の斑鳩文化財センターで開かれます。
郷土文化館の岡潔学芸員が担当して、展示をしているはず、
天守閣からも何点か貸し出しました。
10日には、町中央公民館でシンポジウムも開催されるとのことで、
山口博専門監、文化財課の佐々木健策学芸員が発表されます。
展示品は、小田原北条氏の歴史資料約110点を展示。
小田原城跡で出土した戦国時代の兜(かぶと)や鉄砲玉のほか、
豊臣秀吉の朱印状や北条早雲の画像(模写)などが出展されます。
http://www.town.ikaruga.nara.jp/osirase/event/item_693.html
斑鳩での会期が終わったら、天守閣で引き続き展示してもらいたい内容です。
こちらからは伺えませんが、関西方面の方、是非、足を延ばしてご覧ください。
御用米曲輪 産経新聞の記事 [中近世・城郭]
昨年末に毎日新聞の記事が出たため、記者会見したにもかかわらず、神奈川新聞、読売新聞しか出ませんでしたが、
ようやく産経新聞にも記事になりました。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130121/kng13012121420012-n1.htm
2月16日には見学会があります。これらの遺構を直接見ることのできます。
興味のある方は、是非、おいでください。
御用米曲輪の記者発表資料はこちらです。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/Press/20130012-1.pdf
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小田原城から北条氏の庭園跡 城址公園内に居館の可能性 神奈川
2013.1.21 21:39 (1/2ページ)
戦国大名の北条氏の庭園とみられる遺構。江戸時代の遺構とされてきた小田原城址公園の曲輪跡で見つかった=小田原市
江戸末期の城の姿へ復元整備が進められている「小田原城址公園」(小田原市)から、戦国大名の北条氏の庭園とみられる庭状遺構が市の発掘調査で見つかった。市文化財課によると、これまで別の場所とされていた北条氏の居館の位置が同公園内だった可能性が高まった。小田原城といえば北条氏のイメージが強く、「北条氏の城の心臓部といっていい遺構が城内にある意義は大きい」(同課)だけに、市は整備計画の見直しを迫られそうだ。
同課によると、庭状遺構が見つかったのは城址公園内の江戸幕府の備蓄米を保管する蔵のあった「御用米曲輪(ごようまいぐるわ)」の一角。石組みの水路や玉石を敷いた園路などが出土しており、大きな庭石を配したり、砂利を敷いたりして庭園の景観が造られた様子がうかがえる。
水路の石組みには、地元の黒っぽい風祭石や遠路運んできた茶色い鎌倉石を組み合わせるなど、趣向が凝らされている。地層の重なりや出土した土器、陶磁器などから、北条氏5代のうち3代目の氏康から豊臣秀吉の北条攻め(1590年)を受けた氏政、氏直の時代のものとみられる。
庭状遺構のほか、昨年8月には小田原で初の大型の礎石建物跡も見つかっており、戦国大名の越前朝倉氏(福井県)らの居館遺構に似ていることから、京とつながりの深かった北条氏が、公家を招いて宴を催した儀礼的な場である主殿(しゅでん)が庭園近くにあったと考えられるという。
当時の事例では、主殿近くに日常生活用の建物も設けられるため、担当者は「東国随一の大名が日常に使った道具類が出土すれば、その暮らしぶりを知る貴重な史料となる」と期待する。
小田原城は北条氏による関東支配の拠点として知られるが、石垣や天守が復興された城址公園は江戸時代の姿を映している。一方、北条氏の城は現在の天守から約400メートル離れた八幡山(県立小田原高校付近)を中心に拡大された。
秀吉の北条攻めのころには、周囲約9キロの空堀や土塁の(そうがまえ=城のほか城下町も含めて囲い込んだ外郭)を持つ日本の中世最大の城郭に発展した。北条氏の居館は山手にあったと考えられていたが、近年は低地部に存在したと研究者から指摘されていた。
今後、主殿跡や京風の儀式に使った大量のかわらけ(素焼きの陶器)が見つかれば、居館の存在を示す決め手となる。北条氏の城は、総構が明治以降も都市形成の重要な要素となっており、今回の発見はその全貌を知る手がかりとしても貴重な成果といえそうだ。
御用米曲輪 毎日新聞の記事 [中近世・城郭]
史跡小田原城跡御用米曲輪で庭園跡検出のニュースです。
http://mainichi.jp/feature/news/20121229ddlk14040188000c.html
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小田原城跡:発掘調査 曲輪から庭園跡出土 戦国期、城中心の可能性 /神奈川
毎日新聞 2012年12月29日 地方版
小田原城跡「御用米曲輪(くるわ)」(小田原市城内)の発掘調査で、戦国時代の庭園跡が確認された。同曲輪では今夏に小田原北条氏の主殿の一部とみられる「礎石建物跡」が確認されているが、新たに庭園跡が見つかったことで、同曲輪内に戦国期小田原城の中心の一つがあった可能性がさらに高まった。【澤晴夫】
10年から開始した同曲輪の調査は、江戸時代の米蔵など遺構整備に伴うものだが、主殿級の建物の一部と庭園跡がセットで見つかったことにより、同曲輪の整備方針は見直しを迫られそうだ。
庭園跡から出土したのは、池に水を引き入れるための石組水路や築山(つきやま)、庭石などで、礎石建物跡と石組水路の軸線がほぼ一致していることも分かった。石組水路には地元の風祭(かざまつり)石や鎌倉石が使われているほか、五輪塔の火輪部分だけを貼り付けた護岸遺構も見つかった。
調査に当たっている市文化財課は、本丸側の山を借景にした庭園で、福井県にある戦国大名・朝倉氏の一乗谷城「湯殿跡庭園」に類似したものとみている。借景にした山は江戸時代になって崩され、曲輪内の埋め立てに使われたことで、主殿や庭園跡など戦国時代(16世紀中〜後期)の遺構が良好に残存したと見られている。
今月25日に「史跡小田原城跡調査・整備委員会」(委員長、小和田哲男・静岡大名誉教授)が、庭園跡などの現地視察を行ったが、委員の関心も高く、来年度以降に本格的な戦国期の遺構調査することも検討課題になるとみられる。
調査が進めば、まだ見つかっていない主殿や庭園の全容が解明される可能性もある。さらに、京都とのつながりが深い戦国大名・北条氏の生活様式や文化水準を知る手がかりにもなりそうだ。
12/25 13時30分 史跡小田原城跡調査整備委員会の開催 [中近世・城郭]
12月25日開催です。
御用米曲輪の現地視察もあるとのとこ、後日、見学会は開催されるでしょうが、
一足先に現場を見ることができます。
北条氏当主クラスの居館の存在はすでに報道されていますが、
それに続く発見が相次いでいるようです。
ただ、傍聴は前日までの申し込みとのこと、今日24日に連絡しても連絡はつかないかもしれません。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/singikaitounokoukai/information/shiseki.html
写真は11月30日 天守閣へ向かう北入口通路から
興国寺城跡の発掘調査現地説明会のお知らせです [中近世・城郭]
前日になったので、あげます。
天気もよさそうなので、ご参加ください。
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12月8日(土)に沼津市にある国指定史跡興国寺城跡の発掘調査現地説明会のお知らせです。
時間は午前は10時から11時半までと午後は13時半から15時までの2回ですが、
その間ならば好きなときに来ていただいても大丈夫とのことです。
調査地点は、これまで状況がよく分かっていなかった「清水曲輪」で、
幅12mほど、深さ3.2mほどの堀やピット群が出ているようです。
遺構の時期は、調査担当者によると天正後半期と推定されており、
北条氏の遺構ではないらしいです。
いずれにしても、良い機会なので多くの方においでいただきたいとのことでした。
八幡山古郭東曲輪でボヤ [中近世・城郭]
11月15日 この日は神奈川県西部のミュージアムリレーの日
この日も良い天気、天守閣から八幡山古郭が良く見えました。
しばらくすると消防車のサイレン、東曲輪の斜面が焼けたとのこと
タバコの火の不始末でしようか、ボヤで済んだので大事にならずによかったです。
シンポジウム「惣構・再考」~発見!「有岡城」の無数の堀~のお知らせ [中近世・城郭]
有岡城期の惣構に関するシンポジウムのお知らせです。
http://itami-city.jp/event/00000102599/
「惣構・再考」~発見!「有岡城」の無数の堀~.図書館「ことば蔵」建設に伴う発掘調査結果を中心に、有岡城期の惣構に関するシンポジウムを最新報告・文献からの新説が聞ける!?
開催日 2012/11/11
開催時間:午後1時30分~午後4時
開催場所 伊丹市立図書館「ことば蔵」
兵庫県伊丹市宮ノ前3丁目
料金 300円(資料代)
定員 100名・先着順
申込
10月15日(月)より、伊丹ロマン事業実行委員会事務局(電話072-784-8090,土日祝休み)にて電話受付。
主催 伊丹ロマン事業実行委員会
講師
大阪城天守閣・館長:松尾信裕氏。
関西大学・滋賀短期大学・非常勤講師:天野忠幸氏。
武庫川女子大学・甲子園大学・非常勤講師:藤本史子氏(コーディネーター)
伊丹市教育委員会事務局・生涯学習部社会教育課:赤松和佳。
HP
http://www.city.itami.lg.jp/home/ED/EDSHOGAI/EDSYAKAI/_9309.html
お問い合わせ先
伊丹ロマン事業実行委員会事務局
TEL:072-784-8090
午前9時~午後5時30分(土日祝休み)
小田原城天守閣特別展の準備中 [中近世・城郭]
現在、10月13日から開催の小田原城天守閣特別展の準備中です。
タイトルは「戦国最大の城郭 小田原城」です。
詳細は後日
図録にパネルに・・・・・・。
がんばります。
彼岸過ぎてようやく彼岸花が咲き始めました。
お城 わいわい会議8/19 [中近世・城郭]
8月19日 午後5時からお城わいわい会議が清閑亭で開催れました。
今回は、東京農大の國井先生による小田原城天守3D測量の発表 や
NP0法人設立について、報告がありました。
参加者は30人以上でしょうか。
かなり具体的なNPO設立および運営のシュミレーションなども提示されました。
午後8時30分からは、会場を魚圀の4階に移し、懇親会です。
さすがは小田原が誇る魚屋、「魚圀」さんならではの豪華な魚
おいしくいただきました。
それにしても、天守の木造化への動きは加速度的に進みつつありますが、
行政の対応は時間がかかってしまうので、十分な協議を重ねる必要がありそうです。
史跡小田原城跡御用米曲輪の発掘調査現場見学会は明日です。 [中近世・城郭]
8月18日は御用米曲輪の見学会があります。
昨日、記者発表があり、戦国時代の礎石建物の検出が発表され、
本日の東京新聞、読売新聞に掲載されました。
東京新聞記事
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20120817/CK2012081702000097.html
他社さんも明日の朝刊には掲載してくれることでしょう。
ということで、明日の見学会は近世の米蔵遺構、近世の瓦積土塀、戦国の礎石建物などが見学できます。
小田原市HP 見学会のお知らせ
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/lifelong/property/shisekinoseibi/goyomaikuruwa-c.html
8月18日は10時から16時まで出入り自由、10時、13時、15時の3回
調査担当者による説明があるということです。
こちらが戦国期の礎石
その部分の説明です。焼土があり、それが永禄12年の武田信玄に
よる放火の痕跡の可能性が指摘されています。
たしかに礎石の周りには焼土が明瞭に認められます。
高所作業車からの写真
手前が礎石建物です。礎石のいくつかは原位置を離れているので並びが雑然としていませんが、
きちんと半間(約95cm前後)ごとに礎石が並んでいます。
礎石建物の検出は小田原では初めてです。
これまで小田原城で検出された建物は、掘建柱建物がほとんどで、柱穴の底部に根石を
置くもの占められていました。
今回の調査で礎石間の寸法は約189cm、一間は6尺2寸5分前後であることが確認できjました。
これは八王子城の御主殿 ともほぼ共通する寸法になるようです。
この6尺2寸5分という1間の寸法は、北条領国の基準であん「小田原間」で
あった可能性があります。
この寸法でこれまでの様々な遺構の割り返しをすると、
いろいろと見えてくるものがあることでしょう。
こちらは瓦積土塀の側面の写真
明日はこちらの遺構も見ることができます。
天気が少し不安ですが、荒天にならなければ開催とのこと
是非、ご自身の目でご覧ください。
御用米曲輪で瓦積塀の記事 8/18見学会 [中近世・城郭]
御用米曲輪の記事ですが、神奈川新聞にも掲載されました。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1208090013/
8月18日は見学会があります。
10時、13時、15時の3回です。
また、記事にもありますが、戦国期の礎石建物も検出されているようです。
こちらも見学できるものと思います。
是非、現物をその目でお確かめください。
神奈川新聞から転載です。
御用米曲輪で瓦積塀発掘 8/18見学会 [中近世・城郭]
8/3記者発表が、8/4の朝日新聞朝刊に掲載されました。
8/18に見学会があります。
時間は、午前10時、午後1時、午後3時の3回行われます。
是非、ご覧ください。
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001208060001
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小田原城の瓦積塀 往時のままに発見
2012年08月04日
発掘された「瓦積塀」。何層もの瓦と土を重ねた構造=小田原城址公園
小田原城跡の「御用米曲輪(ごようまいくるわ)」を発掘している小田原市は3日、江戸時代中期の土塀「瓦積(かわらづみ)塀(べい)」が建てられたままの形で見つかったと発表した。小田原城の建造物は明治維新でほとんど失われており、この土塀は唯一の江戸時代の建造物になるという。
瓦積塀は、天守閣のほぼ北側で発掘された。基礎に地元の平たい根府川石を敷き、瓦と土を重ねて強度を保つ構造。長さ2メートル、幅90センチ、高さは最大で1・3メートルあった。敷石だけが残っている部分を含めると全長5メートルになる。また、約10メートル離れた場所にも同じような土塀の基礎があった。
いぶし銀の色の度合いなどから江戸中期の瓦とわかった。市文化財課は「瓦積塀の作り方がわかった。元禄地震(1703年)で倒壊した建物の屋根瓦を再利用した可能性もある」という。江戸時代の絵図には描かれておらず、土塀が造られた目的は分からないという。
江戸幕府の備蓄米を小田原藩が管理し、蔵で保管していたのが御用米曲輪。曲輪には蔵が6棟あったことがわかっていたが、そのうちの1棟の遺構が姿を現している。
18日に現地説明会がある。問い合わせは市文化財課(0465・33・1715)。(岡田宙太)
織豊期城郭研究会2012年度集会 【テーマ】織豊系城郭の陣城 [中近世・城郭]
織豊期城郭研究会2012年度集会のお知らせです。
小田原市からは大島慎一さんが発表されるようです。
石垣山城、富士山、今井陣場、酒井陣場など、そこそこ発掘もされておりますが、
いずれも部分的で、陣城群という視点での取りまとめは難しそうです。
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【テーマ】織豊系城郭の陣城
日 時 2012年9月8日(土)~9日(日)
場 所 鳥取市市民会館(鳥取県鳥取市)
参加費 3,000円
定 員 350名(要申込)
内容
8日(土)鳥取城および鳥取城攻めの陣城群(太閤ヶ平他)見学
懇親会 鳥取シティホテル参加費6,000円
9日(日)
10:00~ 開催地挨拶 鳥取市教育委員会
10:10~ 問題提起「織豊系城郭の陣城を考えるにあたって・・」岡寺良氏(織豊期城郭研究会)
10:30~ 報告①「三木城攻めの陣城群」金松誠氏(三木市教育委員会)
11:05~ 報告②「因幡鳥取城攻めの陣城群」谷本進氏(養父市教育委員会)
11:40~ (昼食)
12:40~ 報告③「備中高松城攻めの陣城群」乗岡実氏(織豊期城郭研究会)
13:15~ 報告④「賤ヶ岳合戦の陣城群」早川圭氏(織豊期城郭研究会)
14:00~ 報告⑤「天正十二・三、佐々紛争における陣城群」林昭男氏(織豊期城郭研究会)
14:35~ 報告⑥「秀吉の小田原城攻めの陣城群」大島慎一氏(小田原市役所)
15:20~ シンポジウム『織豊系城郭の陣城を考える』
16:50~ 閉会挨拶および連絡(事務局)
問合せ申込み
①郵便番号・②住所・③氏名(ふりがな)・④所属(勤務先・研究会等)・⑤Eメールアドレス・⑥電話番号・⑦見学会参加の有無・⑧懇親会の出欠(学生の方はその旨記載)・⑨9日の弁当(料金1,000円)の要不要・⑩図書交換書籍の有無(有の場合その詳細も)をお知らせ下さい。
・メールでの申込みの場合は、<shokuhoujoken-2011@hotmail.co.jp>まで御送信下さい。
・葉書による申込みの場合は、「織豊期城郭研究会鳥取集会に参加希望」と記入の上、〒617-0833 京都府長岡京市神足3丁目13-19-213号室 早川圭 宛へ御郵送下さい。
申込み締切 平成24年8月31日(金)
第29回全国城郭研究者セミナーのお知らせです [中近世・城郭]
第29回全国城郭研究者セミナーのお知らせです
今年のテーマは、「山城の実像を問う」です。
http://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/chujoken/semi2012/
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第29回全国城郭研究者セミナー
テーマ:山城の実像を問う
日 時:2012年8月4日(土)~8月6日(月)
場 所:上越教育大学(新潟県上越市山屋敷町1番地)
参加費:3,000円
懇親会:6,000円
見学会参加費3,000円
内容
8月4日(土)
「畝状竪堀群からみた丹後国の城館」永惠裕和氏(京都大学大学院)
「史跡小峰城跡の被災状況と復旧」鈴木功氏(白河市文化財課)
「聚楽第と井戸-『御所参内・聚楽第行幸図屏風』に描かれた聚楽第」福原圭一氏(上越市公文書センター)
「新潟県村上市平林城跡の調査について」吉井雅勇氏(村上市教育委員会)
「沼津市興国寺城跡-発掘調査から見る城の変遷」木村聡・高尾好之氏(沼津市教育委員会)
「2011年7月の記録的な集中豪雨による坂戸城・樺野沢城跡の被害状況について」藤原敏秀氏(南魚沼市教育委員会)
懇親会 ホテルハイマート
8月5日(日)
「土蔵の成立過程からみる城郭の都市構造」高屋麻里子氏(中世城郭研究会)
「新稜保式城郭の伝来と変遷」角田誠氏(近代築城遺跡研究会)
「筑前立花山城からみた巨大山城の諸問題」木島孝之氏(九州大学大学院人間環境学研究院)
「小谷城の曲輪構造-山城の居住空間を考える」中井均氏(滋賀県立大学人間文化学部)
「安芸国郡山城における『山上居住』」秋山伸隆氏(広島大学人間文化学部)
「能州七尾城跡の概要」佐伯哲也氏(北陸城郭研究会)
8月6日(月)
春日山城・鮫ケ尾城見学会
問合せ先
西村和夫(中世城郭研究会)
nishimura@komazawa-u.ac.jp
℡03-3418-9463(留守電)
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全国城郭研究者セミナーは,全国の城郭研究者に最新の調査・研究成果を発表する場を提供し,研究者相互の交流の場として続けてきました。広く研究発表の場を設けるという理念をさらに深化させるため,研究発表を全国から募集いたします。
1.募集内容 第29回全国城郭研究者セミナーにおいて,城郭に関して新たな事実や知見を提示する研究発表.時代・地域の別,縄張り研究,文献史学,考古学,建築史などの研究分野,および所属は問いません。
2.発 表 日 2012年8月4日
3.発表場所 新潟県上越市
4.発表時間 30分程度(その後に質疑応答10分)
5.募集定員 2名程度
6.応募方法 発表要旨を A4 縦の用紙全面に横書きでレイアウトし,下記受付まで郵送にて送付ください.分量は本文 1 枚以内,図版を含めて最大 2 枚までとします.
発表要旨には,冒頭に題目,文末に氏名・住所・電話番号・メールアドレスを記入ください.
行数・字数は自由ですが,規定枚数を厳守してください.
メールでの受付は行いません.
発表要旨は返却いたしません.控えをお取りください.
7.応募締切 2012年 4月13日(金)必着
実行委員会で審議のうえ,選考結果は 4 月末ごろに応募者全員に連絡します.
8.応募先 〒154-8525 東京都世田谷区駒沢 1-23-1 駒沢大学経営学部 西村和夫 気付
第29回全国城郭研究者セミナー実行委員会事務局 宛
9.注意事項
発表者への旅費・講演料などの支給はありません.
共同研究は代表の方の発表となります.必ず調査・研究を行ったご本人がセミナーに出席し,発表してください.
発表資料の原稿は採用決定後に提出していただきます.詳細は採用者に後日連絡します.
2013年発行の『中世城郭研究』第27号にセミナー概要を掲載するため,セミナー後に報告内容について原稿(図版を含んで 4ページ)を提出していただきます.
セミナーでは情報交換室を設けます.選外となった方でも,各自で準備した研究発表資料の配布や情報交換はできます。