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ヒト-資源環境系の人類誌 日本考古学協会セッション7 [旧石器]

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ヒト-資源環境系の人類誌 日本考古学協会セッション7に参加しました。

最近の考古学協会では半日単位でのセッションが組まれることが多く、

昨年は「ネアンデルタール-ホモサピエンス交代劇」もありましたが、

今年は小野昭明治大学黒曜石研究センター長を中心にした研究グループ

によるものです。

旧石器関係のシンポジウムは単独開催での参加者は限られていますので、

協会当日のセッションだといつものメンバー以外のかたがたも参加されるので、

広く研究状況を発信する、周知するためには良い機会となるようです。による

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小野先生による趣旨説明

セッション7「ヒト-資源環境系の人類誌-中部高地の黒曜石と人類活動-」 
1. 14時15分~14時40分 小野 昭 「趣旨説明」 
2. 14時40分~15時05分 橋詰 潤・島田和高・工藤雄一郎・佐瀬 隆・早田 勉・細野 衛・公文富士夫 「長野県長和町広原湿原および周辺遺跡における考古・古環境調査(2011年度)」 
3. 15時05分~15時30分 鷹山遺跡群調査団・大竹幸恵 「黒曜石資源の獲得と流通-星糞峠黒曜石原産地遺跡における採掘活動の調査-」 
4. 15時30分~15時55分 池谷信之 「黒曜石製石器表面の『キズ』と原産地」 
5. 15時55分~16時20分 宮坂 清・及川 穣 「霧ヶ峰和田峠西原産地漆黒黒曜石の開発と利用-旧石器時代から縄文時代初頭期を中心として-」 
6. 16時20分~16時45分 山科 哲 「霧ヶ峰南麓の縄文時代集落遺跡における黒曜石貯蔵と消費」 

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橋詰 潤さんによる広原湿原の報告は昨年度のものだったのですが、今年は相当な成果が会ったらしいので今後の調査が楽しみです。

池谷さんの発表は、愛鷹4期のナイフに製品が多く、石器製作の痕跡が少ないことから、信州でナイフなどの製品や縦長剥片を製作したものを、愛鷹に長距離運搬した結果、石器表面にキズがついているものが多いではという疑問から研究が始まったとのこと。

柏峠や箱根の黒曜石はキズが少なく、愛鷹で原石から一連の石器製作が行われており、石核や剥片も多く遺跡に残されている。

信州産黒曜石は製品での搬入の他に、器体にはキズは多いものの調整加工(ブランティング)部分にキズが少ない=剥片を搬入し遺跡で製品に仕上げるもの。

など何通りかの黒曜石の搬入と石器製作のパターンがあるとのこと。

サンプル数が少ないのですが、とても面白い、ヒトのモノの動きを黒曜石を通じて具体的に迫ることができる可能性を感じました。

このセッションは討論の時間がなかったのですが、黒曜石を中心にした研究はしばらく続く予定と聞いています。

さまざまな仕掛けや催しが次々にあるようなので今後の展開が楽しみといえます。

 

 

 


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