明治大学博物館特別展 「氷河時代のヒト・環境・文化 THE ICE AGE WORLD」開催中 [旧石器]
10月27日(土)は明治大学での国際シンポジウムに参加しましたが、
同時に開催されていた特別展を見てきました。
担当学芸員の島田和高さんのここ数年の研究テーマである、EUPすなわちEarly Upper Paleolithic、
後期旧石器時代前半期の研究を特別展として集大成された感じを受けます。
普段、なかなか見ることができない日本列島内の古手の石器群が一堂に展示されています。
数年かけて、研究を進化させ、いくつもの論文や国際学会での発表を経た上での展示と図録作成、
本来あるべき学芸員の研究と展示のあり方を見させていただいたように感じました。
とても素晴らしい展示ですので、多くの方に見ていただきたい特別展です。
http://www.meiji.ac.jp/museum/news/2012/6t5h7p00000dk3nz.html
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2012年度明治大学博物館特別展
氷河時代のヒト・環境・文化 THE ICE AGE WORLD
2000年に発覚し,考古学界を揺るがした「前・中期旧石器時代遺跡ねつ造」事件の後,日本列島最古の人類文化はどのように探求されたのか?最初のヒトの足跡はいつ,どのように現れるのか?最初のヒト達は,どのように新天地を拓いたのか?これらは,日本列島を舞台とした人類史の基底に関わる重要な問題として学界のみならず,ひろく市民の興味を引きつける。本特別展は,考古学・人類学の分野で近年さかんに取り組まれている日本列島へのホモ・サピエンス(現代人)の拡散と定着について,日本各地の最古級の考古資料を用いて,研究の現状と考えうるシナリオの紹介を試みる。
「現代人の拡散」は現代人がアフリカで進化した約20万年前からオーストラリアとユーラシアに拡散した約3万年前にかけて生起したグローバルな現象である。展示では,現代人が世界各地に拡散を繰り広げていた最終氷期の気候変動,またヒトと共存した絶滅動物の紹介を導入とする。
次にメインテーマである,日本列島への現代人の拡散と定着について,北海道から九州まで,全国各地から出土している4万年〜3万5千年前の最古級の旧石器を一堂に展示し,最新の学説を分かりやすく紹介する。展示品は,全国約30カ所の博物館・研究機関から借用し,「最古の列島人類文化」の全体像を一望することが出来る。
展示は,明治大学黒耀石研究センターと共同で企画する。展示コンテンツには,センターの所在地である長和町(長野県小県郡)と明治大学が共同で蓄積してきた黒曜石と人類史の研究成果,そして文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「ヒト—資源環境系の歴史的変遷に基づく先史時代人類誌の構築」の研究成果を盛り込む。
■主 催:明治大学博物館
■共同企画:明治大学黒耀石研究センター
■会 期:2012年10月12日(金)〜12月12日(水)
■会 場:明治大学博物館特別展示室
■開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで) 会期中無休
■入 場 料:300円
(高校生以下の生徒児童,身体障害者手帳・愛の手帳をお持ちの方,明治大学学生・教職員,明治大学博物館友の会会員,明治大学カード会員,明治大学リバティアカデミー会員は会員証等の提示で無料)
<問合せ>
明治大学博物館事務室 〒101-8301東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4448
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また、今回の特別展にあわせて刊行された図録ですが、展示資料をもれなくフルカラー、
それも原寸で掲載されているという画期的なものです。
(でかすぎてA4版の版に掲載しきれない大型品数点は90%縮小されていますが)
図録の中はこんな感じです。主要なものは表裏ともに掲載されています。
値段等は下記のとおりです。石器研究者必携の図録だと思います。
http://www.meiji.ac.jp/museum/shop/zuroku-syousai.html#iceage
A4版 129ページ 504g 1300円
◆目次
開催にあたって
目次・凡例
プロローグ 最終氷期の気候変動と絶滅動物
最古の石器を求めて
環状のムラ,登場
コラム 氷河時代の色彩とシンボル
海をわたり,山をひらく
ヒト—資源環境系の人類誌
参考文献一覧
展示品目録
協力機関・協力者・謝辞
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