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杉山浩平著 『 東日本弥生社会の石器研究 』刊行のお知らせ [考古学]

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一昨日、自宅に届いていました。杉山浩平さんによる学位論文をベースとした著作が刊行されました。

「こうへいちゃん」おめでとうございました。

東日本のそれも弥生時代の石器研究です。

研究の蓄積も少なく、資料も少ない中で着実に研究を進めての著作となります。

私が大学生の頃、杉山さんは小学生でしたが、見事に父親杉山博久氏の後を継いで、

立派な考古学者に成長しました。

この度の著書の刊行を大変うれしく思います。

特に黒曜石の分析を池谷さんと共同研究を進めていることもあり、

石器研究の新視点を構築した好著といえるでしょう。小川さんの写真も素敵です。

このブログをご覧の旧石器研究者の皆さんをはじめ、多くの方に読んでいただきたい著作です。

六一書房で取り扱っていますので、是非、お求めください。

http://www.book61.co.jp/book_html/N05095/

また、本人から著者割での紹介がありました。

最近の学位論文の出版は自己負担(買い取り)も多いと思いますので、直接、杉山さんからお求めください。

本代6000円+送料で頒布とのことです。ご希望の方は、sugiyama@l.u-tokyo.ac.jpまで連絡してください。

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N05095

書名東日本弥生社会の石器研究
シリーズ
著者杉山浩平 著
出版社六一書房
出版年2010/10
価格7,875
会員割引割引有在庫在庫有
B5ページ上製カバー 296
 Cコード3021
 ISBN978-4-947743-90-9
内容・目次
<内容>
駒澤大学学位論文に加筆刊行。
「(中略) 本書における研究の特色は、これまでの弥生時代の石器研究の中心であった大陸系磨製石器の分析に加えて、縄文時代以来の石器についても深く検討し、東日本の弥生文化の特質を明らかにしたことである。各地の資料を丹念に見て廻り、論証を固めていく手堅い手法をとっている。特に弥生時代の黒曜石製石器に着目し、理化学的手法を用いて産地分析を行い、流通を明らかにし、大陸系磨製石器の流通と比較したことは研究の新機軸である。また、黒曜石の分析で提示した仮説に対して、伊豆諸島の遺跡の発掘調査を行い検証する姿勢は、考古学の研究の基礎が明確な意図に基づく発掘調査にあることを実践していると言える。(中略)
 本書では東日本弥生時代の磨製石器に関して、石材の研究からはじめ、製作技術の違いに視座をおき研究を進め、さらに石器を石器群総体としてとらえる立場から個別石材にもとづく石器製作システムと、差異を地域ごとに明らかにしている。この研究方法は、これまでの石器研究に希薄であった研究方法で、地域集団の性格の差や地域間の交流関係を探るうえで有効な方法として、高く評価できる。また、石器製作システムの影響関係の実態を、土器を使って補強しつつヒトの動きのありかたと関連付けて理解しようとしているのも重要である。 東日本から出土した弥生時代の磨製石器資料を着実に集成して、それらが西日本からいち早く東北地方に到達していたことを明らかにしているが、新しい見解として評価したい。(本書「序」より抜粋)」
駒澤大学文学部歴史学科教授 飯島武次
※巻末に付表として以下の石器の集成および分析結果を掲載しています。
・長野盆地で製作された緑色岩製磨製石斧
・北陸地方出土の蛇紋岩製磨製石斧
・静岡県安倍川産の磨製石斧
・黒曜石製石器の原産地推定分析結果
<目次>
序   (飯島武次)
序 章 東日本弥生文化における石器研究の視点
  第1節 「弥生社会」像と石器研究 
  第2節 弥生文化研究の複眼的視点 
  第3節 本研究の対象と分析手法 
第1章 東日本における大陸系磨製石器の展開
  第1節 西日本における大陸系磨製石器の出現 
  第2節 東日本における大陸系磨製石器の出現 
  第3節 弥生文化の伝播と石器からみた地域間交流 
  第4節 小 結 
第2章 東北地方における石器の生産と流通
  第1節 仙台湾沿岸地域の石器の生産と流通 
  第2節 いわき地域の石器の生産と流通 
  第3節 東北地方北部・日本海側域の石器の生産と流通 
  第4節 小 結 
第3章 関東地方・東海地方東部における石器の生産と流通
  第1節 関東地方北西部の石器の生産と流通 
  第2節 東海地方東部・関東地方南部の石器の生産と流通 
  第3節 小 結 
第4章 中部地方における石器の生産と流通
  第1節 北陸地方の石器の生産と流通 
  第2節 信州地方の石器の生産と流通 
  第3節 小 結 
第5章 弥生文化における縄文系石器の流通
  第1節 東日本における黒曜石の概要 
  第2節 黒曜石の流通 
  第3節 神津島黒曜石の流通集団に関わる問題 
  第4節 原産地遺跡の分析 
  第5節 小 結 
第6章 弥生文化における縄文系石器の消費
  第1節 黒曜石製石器の器種と石材産地の推移 
  第2節 剥片刃器の検討
  第3節 黒曜石製石器の使用痕分析
  第4節 石鏃の問題 
  第5節 弥生時代の生業と黒曜石 
  第6節 小 結 
終 章 石器をめぐる東日本弥生社会の特質
  第1節 東日本弥生時代の石器の生産と流通の地域性 
  第2節 海上交通による新たな地域社会の形成 
  第3節 石器の生産と流通の東西差 
  第4節 東日本弥生石器の生産と流通の特質 
  第5節 結 論
 

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こうへい

ジュンクワさん 拙書のご紹介ありがとうございます。
クワガタをもらったのはもう30年以上前のことでしょうか?とても懐かしいです。それ以後、いつも気にかけていただきありがとうございます。
初めてきちんと発掘現場に行ったのは小田原城中堀でした。障子堀を掘っていて、考古学は楽しいと教えてもらった現場でした。御礼申し上げます。

お礼がてら、ジュンクワさんのブログで失礼とは思いますが、ひとつ宣伝。拙書、著者割(本代6000円+送料)でも頒布しています。
ご希望のかたはsugiyama@l.u-tokyo.ac.jpまでご連絡いただければと思います。

今度、共同調査・研究させていただきたいです(まじめに今・思案中)。
by こうへい (2010-10-23 11:56) 

ジュンクワ

こうへいさん
記事に追加で著者割を書きこみました。
多くの申し込みがあるとよいですね。

by ジュンクワ (2010-10-23 23:53) 

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