水月湖の年縞堆積によるATの年代は30009年前 [旧石器]
ニューカッスル大学 地理学教室 中川 毅先生らによる福井県水月湖の年縞堆積物の研究によって、7万年前までの1年ごとの堆積が明らかになった。
http://www2.jpgu.org/publication/jgl/JGL-Vol6-4.pdf
Wikipediaより
11,200年- 52,800年前にわたる過去約5万年間の放射性炭素年代測定を行ないその研究成果を学術雑誌サイエンス誌に発表した。過去に例をみない誤差が約5万年で170年程度という精度の高さからこの水月湖の年縞からのデータは2012年(平成24年)7月13日にフランスのユネスコ本部で開催された世界放射性炭素会議総会(International Radiocarbon Conference)で地質学的年代決定での事実上の世界標準となった。
その中でも、我々旧石器研究者が注目する年代は、広域火山灰として知られる、姶良丹沢火山灰=AT層の年代が30009年前であることを、2013年6月15日に東海大学で開催された日本旧石器学会で工藤雄一郎氏によって発表された。
翌日のシンポジウム「旧石器時代の年代と広域対比」では、各地域の発表者に対し、司会(諏訪間)から、ATの年代が30009年前ということに問題がないかとの質問をしたが、各地域では特に大きな問題はないということであった。
これまでは、放射性炭素年代14Cで24,500年前後の測定値で、それをintcal09の較正プログラムでは29,000~30,000年前後とやや幅があったものであるが、1枚ずつの年縞堆積物により30,009年前となったこと、それが世界の基準であることの意義は大変大きい。
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