平成22年小田原市遺跡調査発表会その2 [考古学]
そして、展示解説を挟んで発表が続きます。
今回の展示の責任者である渡辺千尋さんの説明の後、個別遺跡の
前に各担当者が立ち、説明や質問に答えます。
今回の発表でもう一つの重要な報告は渡辺さんによる「小田原城下筋違橋町遺跡第Ⅴ地点」です。
第3面では、小田原用水から個別の屋敷に敷き込まれた上水施設が検出されました。
江戸時代後半の遺構と考えられますが、屋敷内には木樋により上水が引き込まれ、
木製の継手により、竹樋によって分水されている状況が確認されました。
第5面からは厚さ50㎝の道路遺構が両側に石組水路を伴って検出されました。
この道路は近世初頭に整備された東海道の遺構と考えられます。
寛永9年以降の稲葉氏による町割りの変更により、屋敷地内に取り込まれた
ものと推定され、徳川家康による東海道の整備状況を確認したといえます。
ただ、石組水路間の幅7.8mとは少し幅が狭いので南側の水路は道路中央
の開渠の水路の可能性も視野に置かなければなりません。
現在の国道の下なので永久に調査することはできないかもしれません。
最後は山口剛志さんによる史跡小田原城跡馬屋曲輪の報告、
昨年度に私が調査したものです。
今年も無事に遺跡調査発表会も終わりました。
渡辺さんをはじめスタッフの皆さんお疲れ様でした。
その後、発表者やスタッフと打ち上げ、恒例の懇親会です。
いつもの「すなん」http://dada0041.com/に移動し、
20名の方々と楽しいひと時を過ごしました。この店は以前は「DADA」というお店で
13年前の第1回目からの付き合いです。
私たちのテーブルでは埋蔵文化財行政の諸問題など、濃密な議論が行われました。
そして、小田原まで移動し、駅前の店で2次会、12名の方が参加されました。
ご参加の皆さん、遅くまでお疲れ様でした。
コメント 0